マレーシア移住後、まず困ることの筆頭は「保険」です。
(どこの国へ移住する場合もそうですが)
日本では国民皆保険制度があるので、みんな必ず健康保険証を持っていると思います。
健康保険証を持って病院へいけば、自己負担は3割で済みますよね。
高額療養費制度があるので、万が一多額の医療費がかかったとしても、自己負担は少しで済みます。
外国に住むと、その健康保険が無くなるということです。
さて、この問題をどうすれば良いか?
移住準備を進める上で、私が最も時間をかけて検討したといっても過言ではないトピックになります。
この記事では、保険(健康保険・医療保険)問題をどう解決したのかをご紹介します。
結論
まず結論からご紹介します。
- クレジットカード付帯の海外旅行保険(ちょっとした通院にも使える)
- マレーシア現地の保険(高額な医療費への備え)
- 個人賠償責任保険(高額な損害賠償への備え)
以上の3つを私は準備しました。
1.クレジットカード付帯の海外旅行保険
まずはクレジットカード付帯の海外旅行保険を有効活用させて頂きます。
特徴は以下の通りです。
- ちょっとしたケガ、病気で通院する場合に使える
- もちろん入院や手術を伴うオオゴトのときにも使える
- 限度額が低い
- 期限がある
ちょっとしたケガ、病気で通院する場合に使える
既にこのようなケースで何度か使わせて頂きました。
- ゴルフで手首をケガして通院
- 腹痛で通院
- 虫刺されで口唇が異常に腫れ上がり通院
近所のクリニックと、総合病院に通院しましたが、どのケースもだいたい7〜8,000円程度かかりました。
(日本なら3割負担で2,000円台になるので、金額的にはこんなもんかなといった印象です)
通院後クレジットカード会社に連絡し、必要書類を提出しました。
病院で支払った金額と交通費が、保険会社から支払われました!
あれ?3割負担どころか0割負担じゃないか!しかも交通費まで…
日本よりむしろ良い!?…^^;
クレジットカード付帯の海外旅行保険の請求を実際にどうやったのか?の記事もありますので、参考にしてみてください。
→マレーシアで通院〜クレジットカード付帯海外旅行保険の請求手順
入院や手術を伴うオオゴトのときにも使える
もちろんちょっとした通院ではなく、入院や手術になってしまうような大きなケースでもクレジットカード付帯の海外旅行保険は利用できます。
ですが、そういうケースへの備えとしては、クレカ保険ではちょっと不安があります。
なぜなら、「限度額が低い」からです。
限度額が低い
これはクレジットカードの種類によって異なりますが、たとえばクレジットカードごとの海外旅行保険の障害治療・疾病治療の限度額は
- エポスカード:200万円
- リクルートカード:100万円
- AMEXゴールド:300万円
- AMEXグリーン:100万円
- 三井住友カード ゴールド:300万円
というように設定されています。
これくらい補償額があれば、基本的には十分かとは思いますが、
万が一大きな事故や病気で数千万円の治療費がかかってしまった場合には、全然足りない…ということになります。
期限がある
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、あくまで「旅行保険」です。
その為、ほとんどは3ヶ月間しか保険がききません。
なので半年や1年と長期で海外に滞在する場合は、クレジットカード付帯の海外旅行保険だけではカバーしきれないことになります。
ただ、この部分に関しては私なりに研究を重ねて、海外に住んでいても半永久的にクレカ保険を有効に保ち続ける方法を編み出しました。
ご興味ございましたら、ご覧ください。
→クレジットカード付帯の海外旅行保険を3ヶ月を超えても有効活用する方法
2.マレーシア現地の保険
クレジットカード付帯の海外旅行保険だけでも、数百万円の医療費には備えられます。(しかも上記の別記事で解説した方法を使えば半永久的に)
しかし、最も恐ろしいのはそこではありません。
極論を言えば、ちょっとした通院で数千円〜数万円程度の出費ならなんとかなります。
人生に支障をきたすほどのことはありません。
しかし万が一、数千万円というような大きな医療費がかかる自体に遭遇してしまったら…
人生が詰んでしまうこともあるでしょう。
保険で備えばければいけないのは、むしろこっちです!!
日本の保険会社でも、海外赴任者用の保険等、数千万円の補償があるものもあります。
しかし、べらぼうに高いです。。
ちなみに東京海上で見積をりましたが、
家族4人(私、妻、娘7歳、娘5歳)で年間100万円超の保険料でした。
それはちょっとキツイ…ということで探し回った結果、ちょうど私のニーズに合う保険を見つけることができました。
それが「マレーシア現地の保険」です。
ホンリョン医療保険(Hong Leong Assuarance)
私が加入したのは、ホンリョン医療保険(Hong Leong Assuarance)です。
この保険は通院では保険金がおりません。(そもそも通院はクレカ保険で賄えるから不要です)
入院や手術をしたとき、事故に遭ったとき等に保険金を受け取ることができます。
しかも日本でよくある入院保険と違って、かかった実費を請求することができます。
ホンリョン医療保険が使えるケース
- 入院時諸費用
- 手術費用
- 退院後治療費用
- 救急車搬送費用
- 看護費用
- 事故による外来治療
- 外来がん治療
- 外来人工透析治療
- デング熱、ジカ熱による外来治療
ホンリョン医療保険の保険金上限
ホンリョン医療保険では、1年間に100万リンギット(≒3,000万円)まで保険金を請求することができます。
生涯上限額は無制限なので、治療が数年にわたる場合は、3,000万円以上でも保険金を受け取れるということになります。
基本的には、実際にかかった費用を受け取れるという形になりますが、入院時の病室費用は1日あたりRM180(≒5,400円)という支払い方になるようです。
ホンリョン医療保険の年間保険料
ホンリョン医療保険の年間保険料は年齢・性別によって以下のように決まっているようです。
たとえば我が家の場合、
- 私:RM1,179
- 妻:RM1,049
- 娘:RM1,043
- 娘:RM1,043
合計約RM4,300となり、およそ12〜13万円の年間保険料を支払うことになります。
正直、「めっちゃ安い!」と思いました。
同じように上限が数千万円もある保険に入ろうと思ったら、先述の東京海上は年間100万円オーバーでしたし。
そもそも日本に住んでいたときは、健康保険料で年間20万円くらいは払っていたので、むしろ出費が減るな〜という印象です。
ホンリョン医療保険は日本人でも入りやすい
マレーシア現地の保険会社ですので、基本的にやりとりは英語になります。
日常会話ですら難しいのに、保険の契約を英語でこなすのはかなりハードルが高いと思ったわけですが、、、
私は、「トロピカルリゾートライフスタイル クアラルンプール支店」というところを通してホンリョン医療保険に入りました。
トロピカルリゾートは、保険代理店やビザ取得サポート等、日本人向けの事業をマレーシアで展開している会社さんのようです。
日本にもオフィスががあり、ホームページも日本語です。
問い合わせをしたところ、スタッフさんが日本語で対応をしてくれましたので、海外初心者の私はここから保険に入ることにしました。
実際、保険契約の際も、トロピカルリゾートの日本語スタッフさんが同席してくださり、スムーズに保険に入ることができました。
万が一、入院や手術をすることになっても、トロピカルリゾートを通して保険の請求等を日本語で行うことができるので、とても安心できます。
私より海外在住歴の長い日本人の知り合いに「マレーシア現地の保険ならもっと安くて良いところがあるよ」と教えて頂きましたが、日本語でやりとりできるというメリットは私にとっては大きかったですね。
3.個人賠償責任保険
医療費以外に備えばければいけないものがあります。
それが「個人賠償責任保険」です。
もしこんなことがあったら?
- 自転車でお年寄りとぶつかって、
- 不注意で小さい子どもとぶつかって、
相手に大ケガを負わせてしまった…。最悪の場合、亡くなってしまった。
数千万円〜数億円の損害賠償を求められるそうです。。
- 街で高級車を傷つけてしまった
- 他人の物品を破損してしまった
- ホテルの物品を壊してしまった
そういう事故もありえるでしょう。
そんなときに個人賠償責任保険に加入していれば、保険金がおります。
しかも個人賠償責任保険は、保険料が高くないので、忘れずに入っておくべき保険です。
自動車保険やクレジットカードに付いているケースも多いです。
ただ「日本国内の事故に限る」というような注意書きがあるケースもあるので要注意です。
私はAMEXの団体保険で、個人賠償責任保険に加入しました。
年間保険料はたったの2,880円。
- 個人賠償1億円(海外)
- 個人賠償無制限(国内)
- 家族にも適用(配偶者、子、同居の親族 )
という内容の保険です。
この金額で1億円の安心が買えるのであれば、入らない手はありませんでした。
まとめ
- クレジットカード付帯の海外旅行保険(ちょっとした通院にも使える)
- マレーシア現地の保険(高額な医療費への備え)
- 個人賠償責任保険(高額な損害賠償への備え)
以上3つの保険を準備することで、私の中では海外生活盤石!!と思っています。
クレジットカード付帯の海外旅行保険を半永久的に有効にする方法を実践するのが少し面倒ではありますが。。
保険料は年間15万円程度(クレジットカードの年会費を含めても)
で、
- ちょっとした通院=無料
- 大きな医療費=年間3,000万円(生涯無制限)で補償
- 賠償責任にも1億円まで対応
このようなマイ保険チームを構築できたことは、我ながらグッジョブだったと思っています(^^)
コラム
海外移住するなら保険(健康保険・医療保険)問題を解決しないといけない理由
それはもちろん、ケガや病気で医療機関を受診したときに、10割負担になってしまうからです。
お金がかかるからです!
- 子供が熱っぽいから近所の医者へいった
- 慣れない食事でお腹を壊した
- 交通事故に巻き込まれた
- スポーツ中にケガをした
- インフルエンザにかかってしまった
- etcetc...
日本に住んでいるときから、ちょこちょこ病院へいくことはありましたし、
特に小さい子供は頻繁に病院へ行っていました。
それに加えて、慣れない外国に住み始めるとなったら、どんなトラブルに遭遇して、お医者さんのお世話になるか分かりません。
万が一、大きなケガや大病をしてしまった場合、数百円〜数千万円の治療費がかかるなんていうこともあり得ます。
そうなってしまったら、海外生活を楽しむどころの話ではありませんから、しっかり備えておかなければいけません。
日本の健康保険ってどんなだっけ?
日本の健康保険の特徴をおさらいしておきましょう。
- どんな軽症でも重症でも、病院窓口で支払う金額は3割負担。
- 1ヶ月の医療費が◯万円(※)を超えたら、それ以上はかからない(高額療養費制度)
(※額は自身の所得によって変動)
ざっくりいうとこんな感じです。
海外移住・医療保険どうするか?問題を考え始めて、日本の健康保険制度を改めて確認すると、「しっかり守られてるな〜」と改めて実感しました。
特に「高額療養費制度」がデカい!
万が一の大病や大ケガで、数百万円かかってしまった!!というケースでも、実際に自分のお財布から出ていくお金は「◯万円」と上限があるんですから。
これは安心です。
日本の健康保険と同じような保証を準備しようと思うと…
- いつ病院に行っても自己負担は少額
- 多額の医療費がかかってしまっても自己負担は少額
このような日本に住んでいるときと同じ状況を海外在住でも実現しようと思った場合、
もちろん自分でそういう保険に入る必要があります。
私も探しました。
で、実際にそのようなニーズを満たす保険はあります。
あるんですが、、、保険料がクソ高い!です。。
手厚い保証を受けたいなら、保険料たくさん払え!
というわけです。
日本ではこんなにも手厚い健康保険が国民全員に用意されているわけですが、考えてみれば
- 毎月の健康保険料ってけっこう高い(みんな年間20万円近くは払っているはず)
- 多額の税金が投入されている
ということで、かなりお金かかってるんで、手厚くできるわけですよね。
それと同等の保証を自分で用意しようと思えば、支払う保険料が高額になっても当然です。
ちなみ私が見積をとった保険は、家族4人(私、妻、娘7歳、娘5歳)で
年間100万円超の保険料でした。